第1回:「PTネジ」と「NPTネジ」の違いを間違えてしまった話

2025年6月23日
#社長ブログ
有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

こんにちは。榊原工機の榊原です。
このブログでは、現場で実際に起きたちょっとした失敗談や気づきを、できるだけリアルにお届けしていこうと思っています。ものづくりの世界では、日々小さな判断の積み重ねが大切ですが、ときにはプロでも「やっちゃった…」ということがあります。

さて、今回はそんな私の失敗談からスタートです。

PTネジの「めくら栓」を買ったはずが…

先日、PTネジの「めくら栓」を取り付ける作業がありました。
いつもの工具屋さんには在庫がなかったため、「まあ大丈夫だろう」と軽い気持ちでAmazonで購入。届いた部品を現場に渡し、いざ取り付けてみると…

「あれ?はまらない…」

現場では「これはミリネジだ、M10のピッチ1.5に違いない!」と判断され、急遽M10×1.5でタップを立て直してしまいました。

しかし、よくよく確認してみると、実は購入したのはPTネジではなく「NPTネジ」だったというオチ。そりゃ合うはずがありません。

PTネジとNPTネジの違い

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

ここで簡単に「PTネジ」と「NPTネジ」の違いを説明しておきます。

特徴 PTネジ(JIS規格) NPTネジ(米国規格)
規格 日本工業規格(JIS B0203) 米国規格(ANSI/ASME B1.20.1)
用途 主に日本国内の配管 北米を中心とした海外仕様の配管
ネジの角度 55度 60度
テーパー(テーパーネジ) あり あり
互換性 なし なし

見た目は非常によく似ていますが、ネジの角度が違うため互換性がなく、無理にはめようとするとネジ山を壊してしまうリスクがあります。

最後はM10×1.5の「特採」で救われた

今回の件では、間違ってM10×1.5のタップを切ってしまったため、急遽お客様と相談し「特採(特別採用)」という形でM10の埋め栓を入れて対応。お客様のご理解に本当に助けられました。

まとめ:プロでも間違える。だからこそ…

ものづくりの現場では、ちょっとした勘違いや思い込みが、思わぬトラブルに繋がることがあります。
今回の失敗も、「NPTネジがある」という基本的な知識があれば防げたもの。自戒の意味も込めて、ブログに記しておきます。

次回からも、現場のリアルな話題や学びを共有していきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

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