旋盤加工で実現する高精度な丸物部品の魅力 – 榊原工機が少量生産・試作開発で追求する妥協なき「真円」

2025年9月27日
#ブログ
有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

こんにちは。愛知県春日井市で小物部品の精密切削加工を手がけている榊原工機です。

ガレージブランドや個人ブランドを立ち上げられている皆様、そして日々新しい製品開発に取り組む企業の皆様から、こんなお悩みをよく伺います。

「回転する部品だからこそ、真円度や同軸度が厳しく求められるのですが…」 「手のひらサイズの小さなシャフトやピンを、高い寸法精度で試作したいのですが」 「様々な材質で丸物部品を少量だけ作りたいのですが、安定した品質で加工してくれるところが見つからなくて」

もしあなたもこのような課題をお持ちでしたら、その解決の鍵は「旋盤加工」の奥深さにあります。

私たち榊原工機は精密切削加工のプロとして、特に旋盤加工を得意分野としており、小物部品の少量生産や試作開発において、お客様のあらゆる丸物部品のニーズに「ものづくりの駆け込み寺」として全力で応え続けています。

この記事では、旋盤加工の基本知識から、なぜそれが高精度な丸物部品の製造に不可欠なのか、そして私たちがどのように「クリエイティブなものづくり哲学」と「考えて動く多能工エンジニア」の知恵を融合させ、お客様の期待を超える品質を実現しているのかを詳しくご紹介いたします。

旋盤加工とは - 丸物部品製造の王道技術を理解する

旋盤加工の基本原理

旋盤加工は、工作機械の中でも最も歴史が古く、基本的でありながら非常に重要な機械加工方法です。

その原理は意外にシンプルです。加工対象物(私たちは「ワーク」と呼んでいます)をチャックという固定具でしっかりと挟み、高速で回転させます。そこに固定されたバイト(切削工具)を押し当てて材料を削り取ることで、円筒形、円錐形、球面などの回転体形状の部品を製造します。

現代の旋盤の主流は「NC旋盤」(数値制御旋盤)です。コンピュータ数値制御(CNC)によって、工具の移動経路や切削条件がプログラムで精密に制御されるため、高い再現性と加工精度を実現できます。

旋盤加工で可能な多彩な加工パターン

「旋盤って円筒形を作るだけでしょう?」とお考えの方も多いのですが、実は非常に多様な加工が可能なんです。

外径切削では材料の外側を削り、指定された直径に仕上げます。内径切削では材料の内側を削り、指定された内径に仕上げます。端面切削では材料の端面を平らに削ります。

さらに溝加工では外径や内径に溝を掘り、ねじ切りでは外径や内径にネジ山を切ります。穴あけ・中ぐりではドリルやボーリングバーを使って穴を開けたり広げたりします。テーパー加工では円錐形に削り、R(アール)加工では角を丸める曲面加工を行います。

これらの加工を組み合わせることで、複雑な形状を持つ丸物部品も一台の旋盤で製造することが可能になります。

なぜ高精度な丸物部品に旋盤加工が不可欠なのか

丸物部品は、モーターのシャフト、ギア、ベアリングの軸受け、ネジ、ピンなど、多くの機械製品の回転部分や嵌合部分に使用されます。

これらの部品には特に厳しい特性が求められます。真円度(断面がどれだけ正確な円形であるか)、円筒度(円筒の表面がどれだけ正確な円筒形であるか)、同軸度(複数の円筒面や穴の中心軸がどれだけ一致しているか)、そして表面粗さ(表面の滑らかさ)です。

旋盤加工は、ワークを回転軸の中心に固定し、その回転を利用して削り出すため、これらの幾何公差を高いレベルで達成することに非常に優れています。これが、旋盤加工が「高精度な丸物部品製造の王道」と呼ばれる理由なのです。

榊原工機のクリエイティブな旋盤加工アプローチ

「頭脳を旋盤のように高速回転させる」思考プロセス

私たち榊原工機は、「お客様のご依頼にいつもベストパフォーマンスで応えるために、榊原工機はクリエイティブにものづくりをしています」という理念を掲げています。

この言葉の真髄は、お客様から部品製作の依頼があった際の、私たちエンジニアの思考プロセスにあります。

たとえば、高精度な丸物部品の製作依頼があったとしましょう。まず私たちは「材料は角から削ろうか、丸から削ろうか」と、素材の形状から深く検討を始めます。

丸棒から削り出せば材料の無駄が少なく、切削時間も短縮できます。一方、角材から削り出す方が安定した固定ができ、加工歪みを抑えられるケースもあります。最適な材料を選定することは、その後の加工効率やコスト、そして最終的な製品の品質に大きく影響するからです。

機械選定の戦略的思考

次に、どの機械を使うのが最適かを考えます。理想は「5軸か複合加工機なら穴加工まで1台でできる」ことかもしれません。

しかし、現実には「あいにく今日は2台とも埋まっている」という状況も発生します。ここで私たちのクリエイティブな思考が発揮されます。

「特急案件だから、すぐ動けるマシニングと旋盤で工程を組もう」と、限られたリソースの中で、旋盤加工の汎用性と柔軟性を最大限に活かす戦略を瞬時に立てるのです。

これは単に旋盤を使うのではなく、「旋盤だからこそできること、旋盤でなければできないこと」を見極める知恵なのです。

加工プランの綿密な策定

機械が決まれば、いよいよ具体的な加工プランの策定です。「では、どの順番で削るのがベストだろうか?固定治具は?プログラムは?」と、あらゆる可能性を検証します。

削る順番については、外径から削るか、内径から削るか、それとも荒削りから仕上げまで一気に行うか。材料の熱膨張や切削抵抗による歪みを最小限に抑え、高精度を保つための最適な削り順を決定します。

固定治具では、ワークをチャックする際の掴み代や、加工中の振動を抑えるためのサポート(振れ止めなど)を検討します。高精度な丸物部品には、加工中のワークの安定性が不可欠だからです。

プログラムについては、ワークの材質、硬度、求められる表面粗さに応じて、最適な切削速度、送り速度、切り込み量を設定します。また、工具の摩耗や折損を防ぐためのプログラムも緻密に組んでいきます。

私たちは「いつも頭を旋盤のように高速回転させてベストな加工法を考えています」。この思考プロセスこそが、他社では難しいと言われるような高精度な丸物部品製造を可能にする原動力となっているのです。

多能工エンジニアによる匠の技術力

高度なプログラミングと工程設計能力

旋盤加工で求められる真円度や同軸度、表面粗さを高いレベルで実現するためには、高度なプログラミングと工程設計が不可欠です。

私たちの多能工エンジニアは、CAMソフトウェアを駆使し、複雑なR加工やテーパー加工を含む加工パスを生成するだけでなく、工具干渉のチェックや加工シミュレーションを徹底することで、実際の加工におけるリスクを最小限に抑えます。

これにより、初回から高精度な部品を製作することが可能になります。彼らは「旋盤、マシニング、ワイヤー加工」が特に得意な「精密切削加工のプロ」であり、その幅広い知識と経験が旋盤加工の最適運用に活かされています。

工具と加工条件の最適化技術

丸物部品の精度と表面品質は、使用するバイト(切削工具)の種類、材質、形状、そして切削速度、送り速度、切り込み量といった加工条件の選定によって大きく左右されます。

多能工エンジニアは、長年の経験と深い知識に基づき、ワークの材質(硬さ、粘りなど)や要求される公差、表面粗さに合わせた最適な工具選定と加工条件の設定を行います。

たとえば、光沢のある美しい表面仕上げが必要な場合は、切れ味の良い工具を選び、高速で浅い切り込みを行うなど、細部にわたる調整が可能です。

手のひらサイズの微細部品への対応力

榊原工機は「手のひらサイズの部品を中心に、小物部品なら何でも加工OK」を強みとしています。

旋盤加工においても、微細なシャフト、ピン、ブッシュ、コネクタ部品など、小型化が進む製品に不可欠な精密な丸物部品の製造に対応します。

小さな部品ほど、わずかな誤差が製品全体に影響を与えるため、多能工エンジニアの熟練の技が光る領域です。

実際に先日も、直径3mmのステンレス製シャフトで、長さ30mmの部品を公差±0.005mmで製作するご依頼をいただきました。このような精密な小物部品でも、私たちの技術力により確実に品質要求をクリアして納品することができました。

多材質対応の幅広い知識

「金属も樹脂もご相談ください」の言葉通り、多能工エンジニアは旋盤加工機を使い、ステンレス、真鍮、アルミ、鉄鋼材などの金属はもちろん、エンジニアリングプラスチック(POM、PEEK、MCナイロンなど)といった樹脂素材の丸物部品にも対応します。

金属と樹脂では切削特性が大きく異なるため、素材ごとに最適な工具選定、加工条件の設定が不可欠です。樹脂特有の熱による変形や溶着を抑え、高精度な加工を実現できるのは、彼らの幅広い知識と経験があってこそです。

少量生産・試作開発における旋盤加工の価値

圧倒的な高精度と安定した品質の実現

旋盤加工は、ワークを回転軸の中心に固定して加工するため、非常に高い真円度、円筒度、同軸度を実現できます。

これにより、回転部分のブレの抑制、部品の滑らかな嵌合、そして製品全体の耐久性と信頼性の向上に貢献します。ガレージブランドの「こだわり」が、旋盤加工によって細部まで具現化されます。

少量生産や試作の段階でも、量産時と同等の品質を確保できることで、お客様は安心して製品開発を進めることができます。

柔軟な少量・試作対応で開発サイクルを加速

榊原工機は「少量・試作にトコトン強い会社です」。旋盤加工は段取り替えが比較的容易であり、多品種少量生産や試作開発に非常に適しています。

多能工エンジニアの知識と柔軟な機械運用により、お客様は初期投資のリスクを抑えつつ、製品開発の初期段階で高品質な試作品を迅速に手に入れることができます。

ガレージブランドや個人ブランドの皆様にとって、アイデアを素早く検証し、市場の反応を見ながら製品をブラッシュアップしていく上で、旋盤加工は非常に強力な武器となります。

短納期・緊急対応への確実な貢献

「特急案件だから、すぐ動けるマシニングと旋盤で工程を組もう」という言葉が示すように、旋盤加工は短納期や緊急対応において非常に重要な役割を果たします。

当社の多能工エンジニアが、その日の稼働状況に応じて最適な機械を選定し、効率的な工程を組むことで、お客様の急なニーズにも迅速に対応し、製品開発のスピードを維持することに貢献します。

「急ぎで部品加工を発注するときのコツ」といった情報も提供しており、お客様の緊急時のサポート体制も万全です。

ものづくりの駆け込み寺としての安心感

「加工に困った。納期に困った。いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多いです」というお客様の声の通り、榊原工機は「機械部品加工の駆け込み寺的存在」です。

旋盤加工に関するあらゆる課題に対し、豊富な経験と知識、そして「バリエーション豊かな設備群」を駆使して、最適な解決策をワンストップで提案します。お客様は安心して製品開発に集中できます。

あたたかい町工場での共創パートナーシップ

工場らしくない外観が生む親しみやすさ

私たちの工場は、お客様から「工場らしくない外観が自慢です」「工場に見えない町工場です」「あたたかい町工場」だと評価されています。

木のぬくもりと緑にあふれた外観は、従来の工場の無機質なイメージを覆し、お客様が気軽に相談しやすい雰囲気づくりを大切にしています。

工場はホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた場所にあり、1階で金属加工を行っていますが、2階には木の温もりを感じる事務所があります。階段下のピンポンを押して、ぜひ2階の事務所へお越しください。

たまに人懐っこい黒猫のノア君も皆様をお出迎えすることもあります。

密なコミュニケーションを重視した相談体制

このようなアットホームな環境だからこそ、お客様は「この丸物部品、こんなに精度出せるかな?」「この素材で旋盤加工できるかな?」といった技術的な悩みや、まだ漠然としたアイデアであっても、気軽に相談することができます。

多能工エンジニアたちは、お客様の熱い思いや細かなニュアンスをじっくりと聞き、旋盤加工をはじめとする設備と彼らの知見を融合させ、最適な加工方法を一緒に見つけ出します。

「もしも、お急ぎの場合は社長はお話し好きなのでメールで返信を待つより、電話して事情を説明することをお勧めします」という言葉が示すように、お客様との密な対話を重視し、人間味あふれるコミュニケーションを通じて、製品への深い理解と、より良いものづくりへと繋げています。

まとめ:あなたの丸物部品アイデアを形にしませんか

ガレージブランドや個人ブランドの皆様、そして高精度な丸物部品の少量生産や試作開発にお困りの全ての皆様。

あなたの素晴らしいアイデアや困難な加工の課題は、榊原工機の「旋盤加工の奥深さ」と「クリエイティブなものづくり哲学」によって、確実に現実のものとなります。

私たちは単なる加工業者ではなく、お客様の製品開発における最高のパートナーとして、技術力と人間力の両面からサポートいたします。

試作開発に関するご相談、お見積りのご依頼、あるいは「こんな特殊な加工はできる?」といった技術的なご質問まで、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先

お電話でのお問い合わせ TEL:0568-36-1628 受付時間:9:00-18:00(12:00-13:00を除く) ※2024年1月より、受付時間は9:00-17:00に変更になります 休日:土・日・祝日

メールでのお問い合わせ ウェブサイトのお問い合わせフォームもご利用いただけます。

お急ぎの場合のワンポイントアドバイス お急ぎの場合は、メールで返信を待つよりも、直接お電話いただくことをお勧めします。当社の社長は「お話し好き」なので、直接状況を説明していただくことで、より迅速に対応させていただくことが可能です。

所在地 〒486-0932 愛知県春日井市松河戸町2-5-15

榊原工機は、お客様の「ものづくり」の夢を現実にするため、技術と知恵を総動員し、全力でサポートいたします。旋盤加工が持つ奥深さと可能性を、ぜひあなたの製品開発にご活用ください。