ガレージブランドや個人ブランドの皆様、そして革新的な製品開発に取り組む企業の皆様。
「この独創的なアイデアを形にしたいけど、どこに頼めばいいかわからない」 「特殊な材料を使った小物部品を少量だけ作りたい」 「他社では断られてしまった複雑な形状の試作品を作りたい」
そんなお悩みをお持ちではありませんか。
私たち榊原工機は、愛知県春日井市にある小物部品の少量生産と試作開発に特化した町工場です。「精密切削加工のプロ」として、お客様の「ものづくり」における困難な課題に「ものづくりの駆け込み寺」として全力でお応えしています。
この記事では、小物部品の少量生産や試作開発でよく直面する課題と、榊原工機がどのようにしてこれらの問題を解決しているかを詳しくご紹介します。
小物部品の少量生産・試作開発が困難な理由とは
一般的な製造業が少量生産を嫌がる理由
多くの製造業者が少量生産や試作開発を敬遠する背景には、経済的な事情があります。
大量生産を前提とした設備や体制を整えている工場では、機械の段取り替えに時間とコストがかかります。例えば、1000個作る場合と10個作る場合で、機械の準備時間はほとんど変わりません。そのため、少量生産では1個あたりのコストが跳ね上がってしまうのです。
また、多くの工場では効率化を重視するあまり、作業者が特定の機械や工程に特化しています。これは大量生産には適していますが、多様な要求に柔軟に対応する必要がある少量生産には不向きです。
技術的な課題と対応の限界
小物部品の製作では、しばしば技術的な難易度が高い案件が持ち込まれます。
複雑な形状の部品、特殊な材料を使用した部品、極めて高い精度が要求される部品など、通常の加工では対応が困難なケースが多々あります。特に試作開発段階では、まだ最適な加工方法が確立されていないため、試行錯誤が必要になります。
「焼入れ鋼に追加工は可能か」といった技術的な相談も多く寄せられますが、多くの工場では「できません」という回答で終わってしまいがちです。
榊原工機が少量生産・試作開発に特化する理由
私たちが小物部品の少量生産と試作開発に特化しているのには、明確な理由があります。
まず、私たちは「考えて動く多能工のエンジニア」が在籍していることです。彼らは単一の機械に特化せず、旋盤、マシニング、ワイヤー加工など多様な技術に精通しています。この幅広い技術力があるからこそ、様々な要求に柔軟に対応できるのです。
また、「バリエーション豊かな設備群」を保有していることで、最適な加工方法を選択できます。5軸加工機、複合加工機、ワイヤーカット加工機など、それぞれの特性を活かした最適な組み合わせで加工を行います。
榊原工機の技術力|多能工エンジニアの強み
「いつも頭を旋盤のように高速回転」させる思考プロセス
榊原工機のエンジニアは、「いつも頭を旋盤のように高速回転させてベストな加工法を考えています」。これは単なる表現ではなく、実際の仕事に対する姿勢を表しています。
お客様から図面や要求仕様をいただいた瞬間から、私たちの思考プロセスが始まります。「この材料は角から削ろうか、丸から削ろうか」「5軸加工機を使うべきか、複合加工機で対応するか」「どの順番で削るのがベストだろうか」など、あらゆる可能性を検討します。
例えば、複雑な形状の試作品を依頼された場合、まず形状を分析し、どの面から加工を始めるかを検討します。次に、ワークの固定方法、使用する工具、切削条件を決定します。この一連の思考プロセスが、最適な加工方法の選択につながるのです。
多様な加工技術への精通
「旋盤、マシニング、ワイヤー加工が特に得意です」とご紹介している通り、私たちのエンジニアは複数の加工技術に精通しています。
旋盤では、高精度な丸物部品(シャフト、ピン、ブッシュなど)を製造します。真円度、円筒度、同軸度といった幾何公差を厳密に管理し、手のひらサイズの小物部品でも高品質を実現します。
マシニングセンタでは、平面加工、穴あけ、側面加工、溝加工など多様な形状に対応します。特に、微細な穴あけや複雑な溝加工など、小物部品特有の要求にお応えしています。
ワイヤーカット加工では、焼入れ鋼や超硬合金などの難削材に対応します。電気的な放電を利用した非接触加工のため、材料の硬さに加工性が左右されません。ミクロン単位の超高精度で、極めてシャープな内角や複雑な自由曲線も実現可能です。
実践的なトラブル解決能力
長年の経験で培った「リアルなトラブル事例からの学び」も、私たちの強みの一つです。
加工中に予期せぬ問題が発生した場合でも、豊富な経験と知識を活かして迅速に対応します。例えば、薄肉部品の加工で歪みが発生した場合、固定方法を変更したり、切削条件を調整したりして問題を解決します。
このような実践的な対応力があるからこそ、お客様の製品開発が滞ることなく進行できるのです。
設備紹介|小物部品に最適な加工機群
5軸加工機による複雑形状加工
5軸加工機は、X、Y、Zの3つの直線軸に加え、工具やワークを傾けたり回転させたりする2つの回転軸を持つ最先端の工作機械です。
この5軸を同時に制御することで、複雑な三次元自由曲面や多面加工を一度の段取りで高精度に加工できます。特に、流線型のデザインや複雑な形状の小物部品製作には不可欠な設備です。
実際に、当社では自社製品「SAKAKI PUTTER」の製造でこの技術を活用しています。ヘッドの流線型、精密なフェースミーリング、内部の重量配分など、5軸加工機でなければ実現不可能なデザインを具現化しました。
工具干渉を避けながら微細な部分まで精密に加工できるため、デザイナーの意図を忠実に再現できます。
複合加工機による一貫生産
複合加工機は、旋削加工(旋盤)とミーリング加工(マシニング)を一台に統合した画期的な機械です。
丸物と角物が混在するような複雑な形状の小物部品も、一度ワークをセットすればその状態のまま複数の面を加工できます。これにより、段取り替えに伴う位置決め誤差を排除し、高精度と短納期を両立させます。
例えば、円筒形状に四角い穴が開いた部品を製作する場合、従来であれば旋盤で円筒部を加工した後、マシニングセンタで四角穴を加工する必要がありました。しかし、複合加工機であれば一台ですべての加工が完了し、精度も向上します。
多機能な小物部品や複数の工程が必要な一体型部品の製作に威力を発揮します。
ワイヤーカット加工による超精密加工
ワイヤーカット加工は、電気的な放電を利用した非接触加工です。材料の硬さに加工性がほとんど左右されないため、焼入れ鋼や超硬合金などの難削材にも対応できます。
ミクロン単位の超高精度で加工できることが最大の特長です。極めてシャープな内角(R0.05mm程度まで)、複雑な自由曲線、微細な穴、薄い壁を持つ形状など、切削では困難な加工を実現します。
熱影響や加工歪みが極めて少ないため、高品位な仕上げが求められる小物部品や、既に熱処理が施された素材への精密追加工に最適です。
特に「焼入れ鋼に追加工は可能か」という技術的な課題に対し、ワイヤーカット加工は最適な解決策となります。
NC旋盤とマシニングセンタの汎用性
NC旋盤は、ワークを回転させて削り出すことで、高い真円度、円筒度、同軸度を持つ丸物部品を高精度に製造します。
多段形状、ねじ切り、溝加工、テーパー加工など多岐にわたる加工を一台でこなすことができ、手のひらサイズの小物部品を中心に精密な丸物部品を安定供給します。
マシニングセンタは、幅広い材料に対応し、平面加工、穴あけ、側面加工、溝加工、ポケット加工など多様な形状を削り出す汎用性の高い設備です。手のひらサイズの微細な穴あけや複雑な溝加工など、小物部品特有の要求にお応えします。
材料対応力|金属から樹脂まで幅広く対応
特殊金属材料への対応
「金属も樹脂もご相談ください」という当社の強みを支えるのが、豊富な材料対応経験です。
チタン、ステンレス、真鍮、アルミニウム合金、炭素鋼、工具鋼など、様々な金属材料の特性を深く理解し、それぞれに最適な加工方法を提供します。
例えば、チタンは軽量で高強度、耐食性に優れた材料ですが、加工が非常に困難な難削材として知られています。切削時の発熱が高く、工具摩耗が激しいため、特殊な工具選定と切削条件が必要です。当社では、これまでの経験を活かし、チタン部品の高精度加工を実現しています。
ステンレス鋼も加工硬化しやすい材料ですが、適切な工具と切削条件により、美しい仕上げ面を得ることができます。自社製品「SAKAKI PUTTER」でもステンレス材を使用し、その加工ノウハウを蓄積しています。
エンジニアリングプラスチックへの対応
金属だけでなく、エンジニアリングプラスチックの加工にも対応しています。
PEEK、POM、ナイロン、ポリカーボネートなど、高性能樹脂材料は軽量化や電気絶縁性、耐薬品性などの特性から、様々な用途で注目されています。
しかし、樹脂材料の加工は金属とは異なる注意点があります。熱に弱いため切削温度の管理が重要であり、材料によっては特殊な工具や切削条件が必要です。
当社では、これらの樹脂材料の特性を理解し、適切な加工方法により高品質な部品を製造しています。
材料選定からのコンサルティング
お客様の用途に応じて、最適な材料選定からご相談いただけます。
「軽量で高強度な部品を作りたい」「電気絶縁性が必要」「耐食性を重視したい」など、要求仕様に応じて最適な材料をご提案します。
また、コストと性能のバランスを考慮した材料選定も可能です。高性能材料ほどコストが高くなりますが、用途によっては汎用材料でも十分な場合があります。このような判断も、豊富な経験に基づいてアドバイスいたします。
実績紹介|SAKAKI PUTTER開発で培った技術力
自社製品開発への挑戦
榊原工機では、「5軸加工技術から生まれた高級ゴルフパター『SAKAKI PUTTER』」を自社製品として開発しました。この取り組みは、私たちの技術力を集約した代表的な事例です。
SAKAKI PUTTERの開発を通じて、初めてお客様と同じ立場で「製品の企画から市場投入まで」の全プロセスを経験しました。この経験が、現在のお客様支援に活かされています。
製品のデザイン哲学は「究極の機能美と、所有する喜びを感じさせる工芸品としての価値の両立」にあります。流れるような美しい曲線、精密な重心設計、ゴルファーの感性を刺激する打感を追求するために、削り出し加工に徹底的にこだわりました。
削り出し加工へのこだわり
一つの塊(ステンレスや真鍮)から直接削り出すことで、鋳造品では得られない一体感、重厚な質感、素材本来の均一な特性を最大限に引き出しました。
SAKAKI PUTTERの複雑で美しい形状は、まさに5軸加工技術の真価を示すものです。ヘッドの流線型、精密なフェースミーリング、内部の緻密な重量配分など、5軸加工機でなければ実現不可能なデザインを具現化しました。
この経験を通じて、当社のエンジニアは5軸加工機のプログラミング、工具選定、加工条件設定において、さらに深いノウハウと自信を培いました。
お客様目線での提案力向上
自ら製品開発の苦労を経験したからこそ、お客様の「こんなデザインにしたい」「こんな機能を持たせたい」という熱い思いや、試作段階での悩み、品質・コスト・納期のバランスといった課題に対し、より深く共感し、最適なソリューションを提供できます。
複雑な自由曲面や微細構造、難削材を用いたデザインであっても、SAKAKI PUTTERで培った5軸加工技術やワイヤーカット技術を駆使し、お客様のアイデアを設計通りの精度で具現化します。
高級ゴルフパターに求められる究極の品質を実現した経験は、お客様の小物部品に対する厳しい要求に対しても、妥協なく応える私たちの姿勢を強化しました。
あたたかい町工場での製品開発サポート
工場らしくない外観とアットホームな雰囲気
榊原工機は、お客様から「工場らしくない外観が自慢です」「工場に見えない町工場です」「あたたかい町工場」だと評価される、非常にアットホームな雰囲気の工場です。
木のぬくもりと緑にあふれた外観は、従来の工場の無機質なイメージを覆し、お客様が気軽に相談しやすい雰囲気づくりを大切にしています。
工場はホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた場所にあり、1階で金属加工を行っていますが、2階には木の温もりを感じる事務所があります。階段下のピンポンを押していただければ、時には人懐っこい黒猫のノア君も皆様をお出迎えすることもあります。
気軽に相談できる環境
このようなアットホームな環境だからこそ、お客様は「こんなデザイン、本当にできるのかな?」「この材料でこんな加工をしたいんだけど、難しいかな?」といった技術的な悩みや、まだ漠然としたアイデアであっても気軽に相談することができます。
多能工エンジニアたちは、お客様の熱い思いや細かなニュアンスをじっくりと聞き、多様な設備群と彼らの知見を融合させ、最適な加工方法を一緒に見つけ出します。
「もしも、お急ぎの場合は社長はお話し好きなのでメールで返信を待つより、電話して事情を説明することをお勧めします」という言葉が示すように、私たちはお客様との密な対話を重視し、人間味あふれるコミュニケーションを通じて、製品への深い理解と、より良いものづくりへとつなげています。
ものづくりの駆け込み寺として
「加工に困った。納期に困った。いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多いです」というお客様の声が、私たちの信頼性を物語っています。
私たちは「機械部品加工の駆け込み寺的存在」として、小物部品の少量生産や試作開発に関するあらゆる課題に対し、ワンストップで最適な解決策を提案します。お客様は安心して製品開発に集中できます。
お問い合わせ・今すぐ相談したい方へ
迅速な対応をお約束
小物部品の少量生産や試作開発でお困りの際は、まずはお気軽にご相談ください。
「こんな形状は加工できないだろう」と諦めていたデザインも、榊原工機ならば具現化できる可能性があります。5軸加工による複雑な自由曲面やワイヤーカットによる極めてシャープな内角など、加工技術の限界を超えて、お客様の独創的なデザインと機能性を両立させます。
最適な加工方法の選定から、試作開発、小ロット生産まで、どのようなことでもお気軽にお問い合わせください。
連絡先情報
お電話でのお問い合わせ TEL: 0568-36-1628 受付時間: 9:00-17:00(12:00-13:00を除く) 休日: 土・日・祝日
メールでのお問い合わせ ウェブサイトのお問い合わせフォームもご利用いただけます。
お急ぎの場合のワンポイントアドバイス お急ぎの場合は、メールで返信を待つよりも、直接お電話いただくことをお勧めします。当社の社長は「お話し好き」なので、直接状況を説明していただくことで、より迅速に対応させていただくことが可能です。
所在地 〒486-0932 愛知県春日井市松河戸町2-5-15
私たち榊原工機は、お客様の「ものづくり」の夢を現実にするため、技術と知恵を総動員し、全力でサポートいたします。小物部品の少量生産・試作開発でお困りの際は、ぜひ榊原工機にお任せください。