工場に見えない町工場の日常─黒猫ノア君が見守る、榊原工機の「考えるものづくり」

2025年11月6日
#ブログ
有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

はじめに:ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた、ちょっと変わった町工場

皆様、こんにちは。榊原工機です。

私たちは愛知県春日井市で、精密切削加工を手がける町工場です。ただ、初めてお越しになるお客様からは、よくこんな言葉をいただきます。

「ここ、本当に工場ですか?」

そうなんです。私たちの工場は、ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた場所にあり、外観は工場というより、木のぬくもりと緑にあふれた建物。いわゆる「工場に見えない町工場」として、地域の皆様に親しまれています。

そして、この工場には密かな人気者がいます。それが、私たちの非公式マスコット、黒猫のノア君です。

ノア君は、2階の木の温もりを感じる事務所に、気が向いたときだけ出勤してきます。お客様が階段下のピンポンを押して2階へ上がってこられると、運が良ければノア君が歓迎してくれるかもしれません。もちろん、彼の気分次第ですが。

今回は、このノア君の視点を通して、私たち榊原工機が日々どのように「ものづくり」と向き合っているのか、その裏側をご紹介したいと思います。

2階の事務所から聞こえる「考える音」─旋盤のように回転する思考

ノア君の主な仕事場は、2階の事務所です。ここは工場の心臓部とも言える場所で、1階の加工現場の音を聞きながら、難易度の高い案件への解決策が日々練られています。

私たちが専門としているのは、手のひらサイズを中心とした小物部品の加工です。材料は金属から樹脂まで幅広く対応していますが、特に得意としているのが少量生産や試作品の製作。1個から数十個といった小ロットの案件に、トコトン強い会社として評価をいただいています。

ある日、ノア君がうとうとしていると、1階から機械の轟音とは別に、熱のこもった話し声が聞こえてきました。これは、お客様からのご依頼に対して、私たちのエンジニアが最適な加工方法を検討している証拠です。

「この部品、材料は角材から削るべきか、それとも丸材からアプローチするか」

「5軸加工機を使えば穴加工まで1台で完結できるけど、今は2台とも稼働中だな」

「これは特急案件だから、すぐに動けるマシニングと旋盤で工程を組み直そう」

「削る順番をどうすれば最も速く、精度が出せるだろうか」

「固定治具はどう設計する?」

エンジニアたちは、まるで頭の中で旋盤を回転させるように、高速で思考を巡らせます。NC旋盤加工、マシニング加工、ワイヤーカット、複合加工機、5軸加工機。私たちが持つ設備群をどう組み合わせれば、お客様のご要望に最短でお応えできるのか。単に機械を動かすだけではない、この「考えるものづくり」こそが、榊原工機の真骨頂なのです。

ノア君は、この活発な思考のエネルギーを、2階で静かに感じ取っているのかもしれません。

私たちが柔軟な小ロット生産を実現できるのは、考えて動く多能工のエンジニアがいるからこそ。彼らは単なる作業者ではなく、加工困難な案件において、材質を問わず様々な加工に対応できる精密切削加工のプロフェッショナルです。

1階の現場─バリエーション豊かな設備群が支える「駆け込み寺」の実力

ノア君が時折、好奇心から階段を降りて1階を覗くとき、そこには榊原工機の技術力を支える設備群が並んでいます。

私たちが「機械部品加工の駆け込み寺的存在」と呼ばれる理由は、このバリエーション豊かな設備と、それを使いこなす技術力にあります。特に得意とするのは、旋盤加工、マシニング加工、そしてワイヤー加工です。

まず、複雑な形状を一手に担う5軸加工機と複合加工機。これらの最先端設備は、一つのセットアップで多面的な加工や穴加工までを一貫して行う能力を持っています。しかし、工程が混み合う際には、あえてNC旋盤加工やマシニング加工に分散させる判断も必要です。この臨機応変な対応力こそが、私たちの強みと言えます。

例えば、私たちは5軸加工技術を活かして、高級ゴルフパター「SAKAKI PUTTER」を開発しました。ステンレスや真鍮といった材質から、削り出しによってオリジナルグッズを生み出す技術力の証明です。ノア君は、ピカピカに磨かれた試作品に自分の姿が映るのを見て、満足そうにしているかもしれません。

次に、精度を極めるワイヤーカット加工。ワイヤーカットとは、文字通り細いワイヤーを使って金属をカットする加工法で、高精度な部品製造には欠かせない技術です。複雑な形状や微細な加工が必要な部品でも、ワイヤーカットなら対応可能。この技術があるからこそ、私たちは精密切削加工のプロとして、お客様の複雑な要求に応えることができるのです。

お客様が「加工に困った」「納期に困った」という問題を抱えたとき、榊原工機に相談すれば、多くの場合、1社で解決できます。なぜなら、私たちは切削や旋削だけでなく、焼入れ鋼への追加工の可否判断、部品調達における品質認識のギャップ解消、さらには海外調達のトラブル対応まで、加工現場のリアルな事情を深く理解しているからです。

ノア君は、お客様が工場を訪れて社長と熱心に話している様子をよく目にします。お急ぎの場合は、メールで返信を待つより、電話で直接事情を説明することをお勧めしています。社長はお話し好きで、直接コミュニケーションを通じて最適な解決策を導き出すことに長けているからです。

1階の現場─バリエーション豊かな設備群が支える「駆け込み寺」の実力

ノア君が時折、好奇心から階段を降りて1階を覗くとき、そこには榊原工機の技術力を支える設備群が並んでいます。

私たちが「機械部品加工の駆け込み寺的存在」と呼ばれる理由は、このバリエーション豊かな設備と、それを使いこなす技術力にあります。特に得意とするのは、旋盤加工、マシニング加工、そしてワイヤー加工です。

まず、複雑な形状を一手に担う5軸加工機と複合加工機。これらの最先端設備は、一つのセットアップで多面的な加工や穴加工までを一貫して行う能力を持っています。しかし、工程が混み合う際には、あえてNC旋盤加工やマシニング加工に分散させる判断も必要です。この臨機応変な対応力こそが、私たちの強みと言えます。

例えば、私たちは5軸加工技術を活かして、高級ゴルフパター「SAKAKI PUTTER」を開発しました。ステンレスや真鍮といった材質から、削り出しによってオリジナルグッズを生み出す技術力の証明です。ノア君は、ピカピカに磨かれた試作品に自分の姿が映るのを見て、満足そうにしているかもしれません。

次に、精度を極めるワイヤーカット加工。ワイヤーカットとは、文字通り細いワイヤーを使って金属をカットする加工法で、高精度な部品製造には欠かせない技術です。複雑な形状や微細な加工が必要な部品でも、ワイヤーカットなら対応可能。この技術があるからこそ、私たちは精密切削加工のプロとして、お客様の複雑な要求に応えることができるのです。

お客様が「加工に困った」「納期に困った」という問題を抱えたとき、榊原工機に相談すれば、多くの場合、1社で解決できます。なぜなら、私たちは切削や旋削だけでなく、焼入れ鋼への追加工の可否判断、部品調達における品質認識のギャップ解消、さらには海外調達のトラブル対応まで、加工現場のリアルな事情を深く理解しているからです。

ノア君は、お客様が工場を訪れて社長と熱心に話している様子をよく目にします。お急ぎの場合は、メールで返信を待つより、電話で直接事情を説明することをお勧めしています。社長はお話し好きで、直接コミュニケーションを通じて最適な解決策を導き出すことに長けているからです。

特急案件への対応力─スピードと精度を両立させる現場力

製造業において、特急案件への対応能力は、お客様からの信頼に直結します。

「明日までにこの部品が必要なんです」

「突然の設計変更で、急遽試作品を作らなければならなくて」

こうした緊急のご相談を、私たちは日常的に受けています。そして、可能な限りお客様のご要望にお応えできるよう、全力で取り組んでいます。

緊急対応の鍵は、材料選定から始まります。角材から削るべきか、丸材から削るべきか。この判断一つで、加工時間が大きく変わってきます。次に設備の割り振り。本来なら5軸加工機で一貫して加工できる案件でも、納期を優先するなら、旋盤とマシニングに分けて同時進行させる選択もあります。

さらに、治具の迅速な準備も欠かせません。治具とは、部品を固定するための道具のこと。この治具の設計と準備が適切でなければ、どんなに高性能な機械があっても、精度の高い加工は実現できません。私たちは、長年の経験から、様々な形状の部品に対応できる治具のノウハウを蓄積しています。

ノア君は、事務所で静かに丸まっている間も、この工場全体の「特急対応」の緊張感を感じ取っているでしょう。しかし、その緊張感は、決して慌ただしいだけではありません。お客様のご依頼にいつもベストパフォーマンスで応えるという、プロフェッショナルとしての確固たる使命感に裏打ちされているのです。

実際、特急案件では、通常なら2週間かかる工程を3日で仕上げることもあります。これを可能にしているのは、設備だけでなく、エンジニア一人ひとりが複数の機械を扱える多能工であるという事実です。旋盤もマシニングもワイヤーカットも使いこなせるからこそ、状況に応じて最適な工程を組み立てられるのです。

透明性のある情報発信─お客様との相互理解を深めるために

私たち榊原工機が大切にしているのは、技術力だけではありません。お客様との間に透明性を確保し、相互の理解を深めることも、同じくらい重要だと考えています。

そのため、私たちは業界の「裏側」とも言える情報を積極的に公開しています。

例えば、部品加工の見積依頼のコツ。どのような情報を提供すれば、より正確で迅速な見積もりが得られるのか。図面の読み方や、材質による加工難易度の違い。こうした情報を事前に知っていただくことで、お客様とのやり取りがスムーズになり、結果としてより良い製品を、より早くお届けできるようになります。

また、マシニング、旋盤、5軸加工機のリアルなトラブル事例も共有しています。どんな設備でも、使い続ければトラブルは起こります。大切なのは、そのトラブルにどう対処するか、そして同じトラブルを繰り返さないためにどう予防するか。私たちの経験が、他の製造業の方々のお役に立てればという思いで、情報を公開しています。

さらに、「今さら聞けない」シリーズとして、ワイヤーカット加工とは何か、NC旋盤加工の基礎知識といった、基本的な加工技術の解説も行っています。製造業に携わる方なら知っていて当然と思われがちな知識でも、実は詳しく知らないという方は少なくありません。そうした方々にも理解していただけるよう、分かりやすい説明を心がけています。

こうした情報発信は、単なる宣伝ではありません。お客様に私たちの仕事を理解していただき、より良いコミュニケーションを築くための取り組みなのです。

木の温もりと最新技術が共存する空間─「あたたかい町工場」という価値

ノア君が最も安心できるのは、この工場の環境そのものの「あたたかさ」かもしれません。

1階は金属加工のプロフェッショナルな現場。切削や研削加工の音が響き、エンジニアたちが真剣な表情で機械と向き合っています。一方、2階は木の温もりを感じる事務所。ノア君の居場所であり、戦略会議が行われる場所です。

この構造は、私たちのビジネスモデルを象徴しています。最先端でクリエイティブなものづくりを追求しつつも、お客様や従業員にとって心地よい、人間味のある空間を大切にする。これが、私たちの考える「あたたかい町工場」なのです。

多くの工場は、効率と生産性を追求するあまり、無機質な空間になりがちです。しかし、私たちは違います。木の温もりを感じる事務所、緑にあふれた外観。お客様が訪れたとき、「工場に来た」というより「誰かの家を訪ねた」ような感覚を持っていただけることを目指しています。

そして、ノア君の存在も、この「あたたかさ」を象徴しています。彼は生産性に直接貢献しているわけではありません。でも、彼がいることで、事務所の雰囲気が和み、訪れるお客様の表情がほころぶ。それだけで、ノア君には十分な価値があるのです。

製造業は、とかく数字や効率で語られがちです。しかし、私たちは信じています。技術力と人間味は、決して相反するものではない。むしろ、両方があってこそ、本当に価値のあるものづくりができるのだと。

おわりに─ノア君と共に創る、これからのものづくり

黒猫のノア君は、時にはぐっすり眠り、時には階段の下から1階の設備をじっと見つめ、そして時には2階で静かに事務作業を見守る、自由気ままな日常を送っています。

彼の日常の背景には、小物部品の少量生産・試作に特化し、多能工のエンジニアたちが頭を旋盤のように高速回転させながら、日々クリエイティブな加工解法を生み出している、榊原工機の確固たる技術があります。

私たちは、治具の設計から旋盤加工、NC旋盤加工、マシニング加工、ワイヤーカット、そして5軸加工に至るまで、幅広い専門知識と豊富な経験を持っています。だからこそ、お客様にとっての「駆け込み寺」であり続けられるのです。

もし、あなたが部品加工メーカーを探していて、「加工に困った」「納期に困った」という状況であれば、ぜひ一度、私たちの工場へお越しください。木の温もりのある2階の事務所で、私たちがお話を伺います。

そして運が良ければ、フワフワの監査役、黒猫のノア君に会えるかもしれません。彼の気分次第ですが。

榊原工機は、最新鋭の技術力と、町の工場の温かさを融合させ、これからもお客様の「ものづくり」を全力でサポートしてまいります。