月刊「機械技術」に掲載されました!メディアが注目する当社のものづくり

2025年11月7日
#ブログ
有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

製造業の世界では、量産とは異なる少量生産や試作品の分野で、高い技術力と柔軟な対応力が求められています。この度、有限会社榊原工機は、専門メディアである月刊「機械技術」の2024年5月特別増大号に掲載されました。この掲載は、当社が長年培ってきた技術力と、お客様への真摯な姿勢が業界内で評価されている証です。

本記事では、なぜ当社がメディアに注目されたのか、そして私たちがどのような想いでものづくりに取り組んでいるのかを、詳しくお伝えします。

月刊「機械技術」掲載の意義

2024年4月28日、当社は月刊「機械技術」の2024年5月特別増大号に掲載されました。この雑誌は、機械加工技術に関する専門的な情報を提供する、業界内でも権威ある専門誌です。

専門誌に取り上げられることは、単なる宣伝ではありません。これは、当社が得意とする「小物部品の少量・試作加工」という分野での技術力と実績が、第三者の目から見ても確かなものであることを示しています。

記事では、当社の強みである「お客様のご依頼にいつもベストパフォーマンスで応える」という姿勢と、それを支える「考えて動く多能工のエンジニア」の存在が紹介されました。

掲載のきっかけは、当社が日々取り組んでいる加工技術の独自性と、困難な案件にも柔軟に対応する姿勢が評価されたことにあります。特に、少量・試作という「腕の見せ所」となる分野での豊富な経験と、高速で最適解を導き出す技術力が注目されました。

この掲載を機に、より多くのお客様に当社の技術力を知っていただき、製造現場の課題解決に貢献できることを嬉しく思っています。

当社の強み「少量・試作」へのクリエイティブな挑戦

当社の最大の特徴は、少量・試作の分野に特化している点です。量産工場とは異なり、当社に持ち込まれる案件は、一つ一つが異なる複雑なものばかりです。

例えば、ある日お客様から「この部品を急ぎで3個作ってほしい」という依頼が来たとします。この時、当社のエンジニアは機械を動かす前に、頭をフル回転させます。

まず材料選びです。「この形状なら、角材から削った方が早いか、それとも丸棒から削った方が無駄が少ないか」と検討します。次に設備の選択です。通常なら5軸加工機や複合加工機で1台で済ませられますが、もしそれらの機械が他の仕事で埋まっていたらどうするか。特急案件の場合、「すぐに動けるマシニングセンタと旋盤で工程を組もう」という判断を瞬時に下します。

加工順序も重要です。どの面から削り始めるか、どのタイミングで穴を開けるか、固定治具は何を使うか。これらすべてを総合的に考え、最も効率的で高品質な結果を出せる方法を選びます。

私たちは、この思考プロセスを「頭を旋盤のように高速回転させる」と表現しています。旋盤が高速で回転して材料を削るように、エンジニアの頭も高速で回転して最適な加工方法を考え出すのです。

この「クリエイティブにものづくりをする」姿勢こそが、当社の最大の強みです。マニュアル通りの作業ではなく、一つ一つの案件に対して最適解を導き出す。これが、他社には真似できない当社の専門性なのです。

手のひらサイズの部品加工のプロフェッショナル

当社が得意とするのは、具体的には「手のひらサイズ」の部品を中心とした小物部品加工です。手のひらに乗るくらいの大きさの部品と聞くと、簡単そうに思えるかもしれません。しかし実際には、小さいからこそ難しい技術が求められます。

小さな部品は、わずかなズレが致命的な不良につながります。例えば、直径30ミリの部品で0.01ミリのズレがあった場合、これは全体の約0.03パーセントの誤差です。しかし、この小さな誤差が、組み立て時に部品がはまらない、動作不良を起こすといった問題を引き起こすのです。

当社では、金属も樹脂も問わず、幅広い材質の加工に対応しています。ステンレス、アルミ、真鍮、チタンなどの金属はもちろん、プラスチック系の樹脂材料まで、材質に合わせた最適な加工方法を選択します。

得意とする加工技術は以下の通りです。

旋盤加工では、丸い部品を高精度に削り出します。NC旋盤を使用することで、複雑な形状も正確に再現できます。

マシニング加工では、立体的な形状の部品を削り出します。3次元の複雑な形も、プログラミングによって正確に加工できます。

ワイヤーカット加工は、細いワイヤーで材料を切断する技術です。複雑な輪郭や細かい形状も、高精度に加工できます。

5軸加工では、より複雑な立体形状を一度のセッティングで加工できます。

複合加工機は、旋盤加工とマシニング加工を1台でこなせる機械です。

「加工に困った」「納期に困った」というお客様の切実な問題に対し、当社1社で解決できることが多いという点が、お客様からの厚い信頼につながっています。複数の業者に分けて発注する手間も時間もかからず、当社だけで完結できるのです。

柔軟な生産を支える設備と人材

当社が柔軟な対応を実現できる理由は、バリエーション豊かな設備群と、それを使いこなす多能工のエンジニアがいるからです。

設備については、5軸加工機、複合加工機、ワイヤーカットなど、多岐にわたる加工ニーズに対応できる機械を揃えています。これらの設備があることで、お客様の様々な要望に応えることができます。

しかし、設備だけでは十分ではありません。本当に重要なのは、それを使いこなす人材です。当社のエンジニアは、単に機械を操作するオペレーターではなく、「考えて動く多能工」です。

多能工とは、複数の技術を持ち、状況に応じて最適な方法を選択できる技術者のことです。例えば、旋盤もマシニングもワイヤーカットも扱える。そして、どの機械で加工すべきか、どの工程で進めるべきかを自分で判断できる。これが多能工の強みです。

ある時、お客様から「明日までにどうしても必要」という緊急の依頼がありました。通常なら複合加工機で一気に加工するところですが、その機械は別の仕事で埋まっていました。そこでエンジニアは、「旋盤で外形を削って、その後マシニングで穴加工をしよう」と工程を組み直し、無事に翌日納品を実現しました。

このような柔軟な対応ができるのは、設備と人材の両方が揃っているからです。機械があっても使える人がいなければ意味がありませんし、技術者がいても機械がなければものづくりはできません。両方が揃って初めて、お客様の期待に応えられるのです。

知識の共有と業界への貢献

当社は、自社の技術やノウハウを積極的に公開しています。これは、お客様とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、製造業界全体の発展に貢献したいという想いからです。

当社のブログでは、主に以下のような情報を発信しています。

「加工事例」シリーズでは、実際のものづくりに関する具体的なノウハウを紹介しています。どのような工夫をしたか、どこに苦労したかなど、現場のリアルな話をお伝えしています。

「今さら聞けない」シリーズでは、業界の基礎知識をわかりやすく解説しています。例えば、ワイヤーカット加工の基本的な仕組みや、中国調達で実際に起きたトラブル事例などを取り上げています。発注担当になったばかりの方や、製造業に詳しくない方でも理解できるよう、丁寧に説明しています。

「プロに聞きました」シリーズでは、発注者の視点に立った実用的なアドバイスを提供しています。急ぎの発注をする時のコツ、見積依頼を出す時のポイント、部品調達における品質認識のギャップを解消する方法、焼入れ鋼への追加工が可能かどうかなど、実務で役立つ情報をお届けしています。

また、当社が開発した高級ゴルフパター「SAKAKI PUTTER」の製作ストーリーも公開しています。これは、5軸加工技術を駆使し、ステンレスや真鍮から削り出して作った自社製品です。お客様の部品を作るだけでなく、自社でもオリジナル製品を開発することで、技術力の向上と新しい挑戦を続けています。

このような情報発信は、単なる自己PRではありません。製造現場の実情を知っていただき、発注者と製造者の間のギャップを埋めることで、より良いものづくりにつながると信じているからです。

お客様からの信頼と迅速な対応

お客様からいただく評価は、私たちにとって何よりの励みです。Googleのレビューでは、「精密切削加工のプロ」として、特に「旋盤、マシニング、ワイヤー加工が得意」と評価していただいています。

お客様とのコミュニケーションについても、当社なりの工夫をしています。通常のお問い合わせはメールで受け付けていますが、特に急ぎの案件の場合は、電話でのご連絡をお勧めしています。

実は、当社の社長は話好きで、お客様と直接お話しすることを大切にしています。メールでのやり取りだと、どうしても時間がかかってしまいます。緊急の案件であれば、電話で直接事情を説明していただいた方が、迅速に対応できることが多いのです。

電話でお話しすることで、図面だけではわからない細かいニュアンスや、お客様が本当に求めていることを理解できます。「実はこういう使い方をするので、この部分の精度が特に重要なんです」といった情報は、直接お話しする中で初めてわかることもあります。

納期についても、できる限り柔軟に対応しています。もちろん、物理的に不可能なことはお断りせざるを得ませんが、可能な限りお客様のご要望に応えられるよう努力しています。

工場に見えない温かい町工場

当社は、愛知県春日井市にあります。立地は少し変わっていて、ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれた場所にあります。外観も、いわゆる「工場」のイメージとは少し違うかもしれません。

私たちは、自社のことを「工場に見えない町工場」と呼んでいます。木のぬくもりと緑にあふれた「温かい町工場」を目指しているからです。

1階が金属加工の現場で、2階が木の温もりを感じる事務所になっています。初めて来社されるお客様には、階段下のピンポンを押していただき、2階の事務所へご案内しています。

運が良ければ、当社のマスコット的存在である黒猫のノア君に会えるかもしれません。工場というと無機質なイメージがありますが、当社は少し違います。高度な技術を持ちながらも、地域に根差し、親しみやすい存在でありたいと考えています。

このような環境作りは、実は従業員のためでもあります。毎日働く場所が快適であれば、良い仕事ができる。良い仕事ができれば、お客様に喜んでいただける。そういう好循環を生み出したいと思っています。

私たちが目指すものづくり

当社は、単なる部品加工メーカーではありません。私たちは、複雑化する試作・少量生産のニーズに対し、熟練したエンジニアのクリエイティブな思考力と、バリエーション豊かな設備を駆使して、常に最適な解決策を提供する課題解決のパートナーでありたいと考えています。

製造業の現場では、日々様々な課題が発生します。「この形状、本当に加工できるのだろうか」「納期が迫っているのに、どこも引き受けてくれない」「試作段階だから数は少ないけれど、品質は妥協できない」。そんなお客様の困りごとを、一緒に解決していく。それが当社の役割だと思っています。

月刊「機械技術」への掲載は、当社の技術力が専門家によって認められた証です。しかし、私たちはここで満足することなく、さらなる技術向上と、お客様への貢献を続けていきます。

自社製品であるSAKAKI Gearの開発や、技術ブログでの情報発信も続けながら、日本のものづくりを支える一員として、これからも努力を続けてまいります。

お問い合わせについて

部品加工や試作開発でお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。特に、少量生産や試作品、手のひらサイズの小物部品加工については、豊富な経験と高い技術力でお応えします。

急ぎの案件の場合は、メールでのお問い合わせも承っていますが、より迅速な対応が必要な場合は、お電話でのご相談をお勧めします。社長が直接お話を伺い、最適な解決策をご提案いたします。

お見積り・お問い合わせ先 電話:0568-36-1628 受付時間:9:00-17:00(12:00-13:00を除く) 休日:土曜日・日曜日・祝日

金属も樹脂も、旋盤もマシニングもワイヤーカットも。当社1社で、お客様の課題解決をお手伝いします。製造現場でお困りのことがあれば、どうぞお気軽にご連絡ください。

私たちは、一つ一つの案件に対して、頭を旋盤のように高速回転させて最適解を導き出します。そして、お客様のご依頼にいつもベストパフォーマンスで応える。それが、有限会社榊原工機のものづくりです。