第53回:あなたの夢を叶える工場 ― やったことのない加工に、どう向き合うか

2026年8月3日
#社長ブログ

やったことのない加工

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

世の中の切削加工品って、たいてい設計者は「切削でできる」ことを前提に図面を描いています。だから大抵のものは切削加工できるんですよね。切削と言いましたが、放電なんかも含めて「工作機械を使って加工できる」という解釈をしてもらえばいいと思います。

ただ、世の中に工作機械がいろんな種類あることからも分かるように、得意不得意はあるんですよね。超微細加工、たとえば0.1mmの穴を開けていますという会社に「10mmのドリルで穴を開けてください」と言ったって、「それはうちの専門外です」となる。それと一緒ですよね。

そして、めちゃくちゃ小さい加工、めちゃくちゃ大きい加工——ちょっと抽象的な言い方になっちゃうけど——そういう仕事は少ないんですよね。だからそこで突き抜けてしまって、それで名前が売れてしまえば、もうその仕事は独占できるというところはあります。

ですけど、なかなかこの「工作機械ありき」の世の中です。今も職人さんのスキルはもちろん大前提ではあるんですけれど、工作機械の精度がすごく良くなっているので、腕の違いというのが少なくなってきています。少なく、ですよ。やっぱり最終的には、現時点でも職人さんの腕の違いはありますけどね。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

今回、こんな仕事をやらせていただきました。φ10ほどの製品に、触角として φ0.5 で長さ1mmくらい突き出ている三次元の加工です。このφ0.5で1mm突き出ている加工って、素人目にも分かるけど折れやすいですよね。こういう加工ばかりやっている会社にとっては簡単なことだし、うちのようにやったことがない会社にとっては、やっぱりチャレンジなんですよね。

榊原工機ってどんな会社かというと、やったことがないことに対してでも、やれる道筋があればチャレンジしていこう、という、そういう会社なんですよ。それが今日話したかったことなんです。

ちょっと最初とは逸れちゃいましたけれど、自分たちの器は「こんなもんだ」と決めちゃう前に、少しでもいいからやれる範囲を広げていく。そうすれば最終的に大きな器になっていく。そう思って、この37年間仕事をやってきました。

うちの会社は、初めは汎用旋盤1台、汎用フライス1台の合計2台の工作機械で町工場を始めたわけなんですけれど、今ではマシニングセンタ、ワイヤーカット、5軸、複合旋盤、放電加工機と、いろんな機械が揃って、さまざまな加工ができます。「あなたの研究室」、「あなたの町工場」、なんて言ったらいいのかな。「あなたの夢を叶える工場」でしょうか。

板金なんかはうちは外注さんにお願いしていますが、それ以外の切削加工であれば、手のひらサイズなら何でもできちゃうし、どんどんやれることが増えていますよ。そんな話でした。