溝入れバイト
今日は溝入れバイトの話をします。スローアウェイのチップとロー付けバイト、この二つで何がどう違うのかというところですね。
うちの場合、機械にタッチセンサーが付いていて、刃物の位置を機械が記憶してくれます。そこに刃物を当ててX軸とZ軸の位置を出すわけです。
スローアウェイのチップであれば、ホルダーをセットして一度決めてしまえば、あとはチップ交換だけで大体同じ位置にチップが来てくれる。だから寸法出しの手間が少ないんですね。直検しても0.01ミリ、0.025ミリ程度。チップの種類によっては0.05ミリくらい変わることもありますが、ほぼほぼ変わりません。
ところがロー付けの溝入れバイトとなると、まず溝入れの平行出しから始まるんです。きちんと平行になっているのか。スローアウェイならタレットの溝に当てればそのまま大体出ているところですが、ロー付けバイトは製品を試し削りしながら平行を出していく。これが普通のやり方です。平行が出たら、あとはタッチセンサーでX軸とZ軸を出して使用する。そこまで行けば後は一緒なんですけどね。
問題は、ロー付けバイトは切れなくなったらまた外して、また一から平行出しをやり直さなきゃいけない。これが大変面倒なんです。だから現在うちの工機では、ロー付けの溝入れバイトはほとんど使っていません。
ただ、近年レアアースの問題でスローアウェイのチップがどんどん値上がりしていましてね。このチップ、三箇所使えるんですが約3,000円する。一コーナーあたり1,000円という計算です。
1,000円かかっても段取りの手間がかからないから楽だよね、と考えるのか。1,000円かかるなら、5分で研ぎ直せるロー付けの方が安いんじゃないの、と考える人も出てくるでしょうね。
名前の通り、スローアウェイは「あっちに投げちゃう」、使い終わったらポイと捨てるという意味です。ところが超硬の値上がりによって、ポイと捨てるどころじゃない。溜めておいて超硬として買い取ってもらう。もはやスローアウェイとは言えない時代になってきました。
ということで今日は、スローアウェイなのに実は捨てられないスローアウェイバイトの話でした。