ササッパとは?

こんにちは。榊原工機の榊原です。
今日は、「ササッパ」についてお話ししたいと思います。
ササッパって、知っている人はもう少ないかもしれません。
今の若い世代には聞き慣れない言葉でしょうし、
もはや“昭和レトロ”の部類に入ってしまっているかもしれませんね。
実はこれ、会社で使っている平ヤスリを再利用して作る道具なんです。
使い古してもう役目を終えた平ヤスリの先端を、笹の葉のような形に削って、
バリ取り専用の工具にしたもの。それが「ササッパ」です。
どんな時に使うかというと、
たとえば部品のキワキワの部分など、細かいバリが気になる場所の仕上げに使います。
もちろん、今はリューターなど電動工具の方が一般的で、効率もいい。
でも、リューターだと削りすぎてしまうということもありますよね。
だからこそ「ササッパのほうが使いやすい」「あの感覚が好きだ」
という職人さんもまだまだいらっしゃいます。
実際、先日も「ササッパ作ってください」という注文があり、
久しぶりに作業しました。
今は、何でも便利なものが揃っていて、
お金を出せば高性能な道具が簡単に手に入る時代です。
でも、だからこそ私は思うんです。
手元にあるものを、工夫して、改造して、使い続けていく。
その精神こそが「職人の心」なんじゃないかなと。
もしかしたら、こういった感覚や言葉も、
時代とともに薄れていくのかもしれません。
「職人」という言葉すら、そのうち消えてしまうかもしれない。
でも私は、そんな工夫の心や道具に対する愛着を、
次の世代にも伝えていきたいと思っています。
また一つ、懐かしい道具の話でした。読んでくださってありがとうございます。