~機能優先か、見た目優先か~

製造業でよく耳にする「黒皮材(くろかわざい)」。
簡単に言えば、製造されたままの素材です。
昔は、機能優先の設計があり
「黒皮のままでOK」という図面が見受けられました。
コストを抑えるためにも、わざわざ黒皮を削って仕上げ無くて良いですよ。
と言う意図でした。
ところが近年、同じような部品でも図面に“黒皮のまま”と書いてあっても、
実際には黒皮を削って、切削仕上げのきれいな状態で収めるケースが増えてきました。
見た目が美しくなるのは確かに製品としての価値が上がることですが、
その分コストアップにつながります。
もしくは加工業者のサービス。
これは機能優先か、見た目優先か――
装置メーカーにとっても難しい選択になってきているのだと思います。
我々のような部品加工屋の役割は、
「いただいた図面通りに作る」ということに尽きます。
ただ、その図面の背景にはコストと品質、企業の考え方が深く関わっている。
そんなことを考えさせられる今日この頃です。
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黒皮を残すか、削って仕上げるか。
単なる加工の違いのようでいて、
そこには企業のものづくりへの姿勢が表れているのかもしれません。
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こういった現場の気づき、今後も少しずつ発信していきたいと思います。