提案・試作事例

[愛知県の金属加工]榊原工機のバーチャル工場見学で設備を確認(後編)

製造業で設計や部品調達に携わっている皆さん、工場見学って行きたいけれど、なかなか行けないですよね。「加工を依頼する前に、どんな会社なのか知りたい」「実際にどんな設備があるのか見てみたい」と思っても、出張申請の手間、移動時間の確保、そもそも「見学させてください」とお願いするハードルの高さ……。いろいろな理由で諦めてしまうことも多いのではないでしょうか。

愛知県春日井市にある部品加工メーカー、有限会社榊原工機では、そんな皆さんのために「バーチャル工場見学」というメニューをホームページに用意しています。前回の記事では、エリアA〜Dのマシニングセンターや複合加工機などの切削加工設備をご紹介しました。

榊原工機の外観|有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

前回記事:【愛知県の金属加工】榊原工機のバーチャル工場見学で設備を確認(前編)
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今回は後編として、エリアE以降の設備をご案内していきます。ワイヤーカット加工機から検査設備、そして意外な設備まで、榊原工機の「ワンストップ対応」を支える多彩な設備が登場します。では早速、榊原社長のご案内で工場の奥に進んでいきましょう。

エリアE:ワイヤーカット&フライスエリア

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

エリアEには、三菱電機製のワイヤーカット加工機が2台と、NCフライス・汎用フライス盤が設置されています。この配置は「ワイヤーカットを動かしながら、同時にフライスの仕事もこなせるようにしています。1人のオペレータが2台、3台の機械を同時に担当する『多台持ち』で、効率良く仕事を進められるようなレイアウトです」とのこと。

ところで、ワイヤーカット加工機は温度変化に敏感な機械なので、精密な加工を安定して行うために恒温状態を保つ必要があります。そこで榊原工機ではワイヤーカットの周囲をビニールシートで囲い、中にエアコンを2台設置して温度管理しているそうです。

エリアF:自動旋盤エリア

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

エリアFには、MIYANO(ミヤノ)製の自動旋盤が設置されています。この機械の特徴は「バーフィーダー」と呼ばれる自動材料供給装置が付いていること。「直径φ30mmまでのバー材を自動で送り出しながら、連続加工ができる設備です。1,000個、2,000個といった量産のお仕事にも対応できますよ」と説明してくれました。

「単品加工」「試作品」「小ロット」のイメージが強い榊原工機ですが、実はこうした量産設備も備えています。試作から量産まで、柔軟にお任せいただけるのも榊原工機の強みのひとつです。

エリアG:レーザーマーキング&硬度測定エリア

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

エリアG出荷準備をメインで行う場所ではありますが、実はここにファイバーレーザーを使ったレーザーマーカーと硬度測定機が設置されています。

「レーザーマーカーは、製品に品番や社名を入れたいというご要望にお応えするために導入しました。金属の表面に文字や記号をマーキングできますし、QRコードを入れることもできますよ」

製品のトレーサビリティ(追跡可能性)が重視される昨今、部品一つひとつに識別情報を入れたいというニーズも増えており、そのようなご要望にも社内で対応しているということでした。

そしてもうひとつ、右にある硬度測定機も見逃せない設備です。「焼入れ材の加工をお受けするときに、実際の硬度を確認するために使っています。支給品の硬度の事前チェックや、中国調達品の焼入れ品質チェックでも活躍しています」と榊原社長。

以前の記事でもご紹介したように、焼入れ材は硬度によって加工の難易度や使用する刃物が大きく変わってきます。硬度測定機があれば事前に正確な硬度を把握してから加工に取りかかれるので、効率面・品質面で大きなメリットがあるということです。

エリアH:検査設備エリア

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

エリアIは、検査・測定設備が揃う測定室です。東京精密製の三次元測定機「DuraMax」と、キーエンスの3Dスキャナが設置されています。

「三次元測定機は、加工品の精度を正確に測定するために欠かせない設備です。出荷前検査はもちろん、加工途中での確認にも使っています」三次元測定機があることで、複雑な形状の部品でも正確な寸法測定が可能です。お客様に納品する前に、図面通りの精度が出ているかどうかをしっかり確認できるので、品質に自信を持ってお届けすることができます。

また、キーエンスの3Dスキャナは、現物の形状をデータ化するのに活躍しています。
「図面がない部品を複製したい」「現物と加工品を比較したい」といった場面で重宝する設備です。リバースエンジニアリングと呼ばれる、現物からCADデータを起こす作業にも対応できます。

もうひとつ、この写真には入っていませんが、樹脂の3Dプリンタもあります。金属加工の前に形状や組立の具合を見たい、というようなケースでご依頼いただければ、3Dデータからモデルを作成いたしますのでご相談ください。

エリアI:階段を上って2階へ……事務所入口

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

工場フロアの外の右手にある階段を上がると、2階の事務所エリアに到着します。実際に榊原工機を訪問いただく際は、インターホンでお声がけいただいて、こちらのドアからお入りください。

エリアJ:2階応接室

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

2階には応接室があり、打ち合わせやお見積りのご相談など、こちらでゆっくりお話しいただけます。

「今の季節は暖炉で暖かくなっていますよ」と榊原社長。なんと、応接室には暖炉があるんです。町工場の応接室に暖炉というのは珍しいですよね。ぜひ実際に訪問して、その雰囲気を体感していただければと思います。

そしてもうひとつ、応接室には看板猫の「ノア」がいたり、いなかったり……。よく見るとこの写真にも写っています。猫アレルギーの方は事前にお知らせくださいね。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

事務所2階にある暖炉です。冬にお越しいただくと、暖炉のやさしい暖かさを感じていただけると思います。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

看板猫・かぎしっぽの「ノア」です。お散歩で不在のこともよくあります ^^;)

まとめ:愛知県・名古屋エリアの金属加工は榊原工機へ

回にわたってお届けしてきた「榊原工機バーチャル工場見学」、いかがでしたでしょうか。

前編では複合加工機や5軸加工機、マシニングセンター、NC旋盤といった切削加工の中核設備をご紹介しました。そして後編では、ワイヤーカット加工機、自動旋盤、レーザーマーカー、硬度測定機と測定室の検査設備をご案内しました。

あらためて振り返ると、小さな工場の中に実に多様な設備が詰まっていることがおわかりいただけたと思います。これらの設備が同一フロアに揃っているからこそ、旋盤→マシニング→ワイヤーカット→検査という複数工程の仕事でも、社内で一貫対応が可能……ということは、部品を持って協力会社を走り回る必要がないので、スピーディに高品質の部品を提供できるという榊原工機の強みになっています。

愛知県・名古屋エリアで旋盤加工、マシニング加工、5軸加工、ワイヤーカット加工の依頼先をお探しでしたら、ぜひ榊原工機にご相談ください。バーチャル工場見学で設備を確認いただいた後は、実際に図面をお送りいただければ、榊原社長からスピード見積が届くと思います。もちろん、実際に春日井市の工場にお越しいただくことも大歓迎です。暖炉のある応接室で、看板猫のノアと一緒にお待ちしています(猫アレルギーの方は事前にご連絡くださいね)。

榊原工機 バーチャル工場見学https://www.sakakibara-kouki.co.jp/factory_tour/
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(インタビュー・構成=ものづくりライター 新開潤子)

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