製造業で働く皆様なら、こんな経験はありませんか?
「この部品、図面は完成しているのに、どこの加工業者に聞いても『うちでは難しい』『実績がない』『納期が厳しすぎる』と断られてしまう…」
そんな時、最後の頼みの綱として多くのお客様が足を運ばれるのが、愛知県春日井市にある有限会社榊原工機です。お客様からは「機械部品加工の駆け込み寺的存在」と呼ばれる当社が、なぜ他社で断られた困難な案件にも対応できるのか。その秘密を詳しくお伝えします。
榊原工機が「駆け込み寺」と呼ばれる理由
お客様の声が物語る信頼関係
「加工に困った。納期に困った。いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多いです」
これは実際にお客様からいただいた言葉です。なぜこのような評価をいただけるのでしょうか。
その答えは、当社が創業以来大切にしてきた「お客様のご依頼にいつもベストパフォーマンスで応える」という理念にあります。他社が技術的な困難さや納期の厳しさを理由に断る案件でも、私たちは諦めません。むしろ、そうした挑戦こそが技術力向上の機会だと考えています。
小物部品に特化した専門性
当社は「手のひらサイズ」の部品を中心に、小物部品の加工を得意としています。金属から樹脂まで、材質を問わず幅広く対応可能です。
小物部品の加工は、大きな部品とは全く異なる技術とノウハウが必要です。わずか数ミリの誤差が致命的な問題となることもあり、高度な精密技術が求められます。当社は長年この分野に特化することで、他社では対応困難な高精度小物部品の加工技術を蓄積してきました。
例えば、医療機器の精密部品や電子機器の微細な構成部品など、ミクロン単位の精度が要求される案件でも、豊富な経験とノウハウで確実に対応いたします。
創意工夫の加工法検討術:「頭を旋盤のように高速回転」させる思考プロセス
材料選定から始まる最適化
お客様から部品製作のご依頼をいただいた瞬間から、当社のエンジニアの頭の中では高速回転が始まります。
「材料は…角から削ろうか、丸から削ろうか」
一見シンプルなこの問いかけですが、実は加工効率と最終品質を大きく左右する重要な判断です。
角材からの削り出しを選択した場合、複数の面を基準にしやすく、複雑な形状の部品でも安定した加工が可能です。一方で、円筒形状の部品であれば、丸棒材から加工することで材料ロスを最小限に抑え、同心度や真円度の精度を高められます。
当社のエンジニアは、図面を見た瞬間にこれらの要素を総合的に判断し、最も効率的で高品質な加工方法を導き出します。
機械選定の柔軟性が生む対応力
「機械は…5軸か複合加工機なら穴加工まで1台でできるけど、あいにく今日は2台とも埋まっている」
このような状況は、多品種少量生産の現場では日常茶飯事です。多くの加工業者なら「対応不可」となるところですが、当社は違います。
「特急案件だから、すぐ動けるマシニングと旋盤で工程を組もう」
このように、複数の機械を組み合わせて最適な加工パスを再構築します。当社が保有する「バリエーション豊かな設備群」には、5軸加工機、複合加工機、マシニングセンタ、NC旋盤、ワイヤーカットなど、多様な加工機が含まれています。
一台の機械に固執せず、現在の稼働状況と納期を考慮して最適な組み合わせを瞬時に判断する。この柔軟性こそが、特急対応を可能にする秘訣です。
精密な工程設計への徹底的なこだわり
「では、どの順番で削るのがベストだろうか?固定治具は?プログラムは?」
材料と機械が決まれば、次は具体的な工程設計です。ここで当社の多能工エンジニアの真価が発揮されます。
加工順序一つで、部品の品質や加工効率は大きく変わります。特に薄肉部品や複雑形状の場合、切削による変形や工具の干渉を避けながら、最終的な精度を確保する必要があります。
例えば、ある精密機械部品の加工では、従来の加工順序では最終工程で寸法が狂ってしまう問題がありました。そこで加工順序を見直し、熱変形を考慮した工程設計に変更することで、要求精度をクリアすることができました。
このような創意工夫こそが、他社で断られた部品を可能にする当社の強みなのです。
多能工エンジニアの卓越した技術力
複数加工技術への精通が生むシナジー効果
当社のエンジニアは「旋盤、マシニング、ワイヤー加工が特に得意」で、一人で複数の加工技術を習得した「多能工」として活動しています。
この多能工システムには大きなメリットがあります。例えば、マシニング加工中に予期せぬ問題が発生した場合、マシニング専門の作業者なら解決策もその範囲内に限定されてしまいます。
しかし多能工なら「この部分はワイヤーカットで対応しよう」「旋盤で前加工を変更すれば解決できる」といった、より幅広い視点から最適解を見つけることができます。
材質を問わない幅広い対応力
「精密切削加工のプロ」として、当社は「材質を問わず様々な加工に対応」しています。
ステンレス、真鍮、アルミニウム、炭素鋼などの一般的な金属はもちろん、チタン合金や特殊鋼、さらには各種樹脂まで幅広く対応可能です。
材料によって最適な切削条件は大きく異なります。例えば、粘り気の強いステンレスには低速高送りの条件が適していますが、脆性の高い鋳鉄には高速低送りが効果的です。こうした材料特性に応じた加工条件の最適化が、高品質な仕上がりを実現します。
実際の事例として、他社で「加工困難」とされた焼入れ鋼への追加工案件がありました。硬度の高い材料への加工は工具寿命が短く、コスト的にも技術的にも難易度が高い作業です。しかし当社では、専用工具の選定と最適な切削条件の設定により、お客様の要求品質を満たす加工を実現しました。
品質へのゆるぎないコミットメント
「駆け込み寺」としての信頼は、単に加工できるだけでなく、その品質が確実に保証されてこそ成り立ちます。
当社では、万が一不良品が発生した場合は躊躇なく廃棄し、再加工を行います。これは短期的にはコストアップになりますが、お客様への品質保証と長期的な信頼関係構築のために必要な投資だと考えています。
特に試作品の場合、後の量産化に大きく影響するため、品質への妥協は一切許されません。多能工エンジニアは自身の経験とスキルを総動員し、不良品の発生を未然に防ぐとともに、万が一の場合も原因究明と再発防止に全力で取り組みます。
柔軟な生産体制を支える充実した設備群
最新鋭設備と汎用機の戦略的配置
当社の「柔軟な小ロット生産を実現しているバリエーション豊かな設備群」は、あらゆる加工ニーズに対応できる物理的基盤となっています。
最新の5軸加工機や複合加工機は、複雑形状部品の一工程完結加工を可能にし、高精度と短納期を両立します。実際に当社では、これらの先進設備を活用して高級ゴルフパター「SAKAKI PUTTER」を自社開発・製造しており、その技術力は折り紙付きです。
一方で、汎用性の高いマシニングセンタやNC旋盤も豊富に保有しています。これらの機械は特急案件や設備が満稼働の際の代替手段として活用され、お客様をお待たせしない体制を支えています。
ワイヤーカットによる精密加工への対応
精密加工の分野では、ワイヤーカット放電加工機も重要な役割を果たしています。
ワイヤーカット加工とは、細い金属ワイヤーを電極として使用し、放電により材料を除去する加工法です。従来の切削加工では困難な複雑形状や、硬質材料の精密加工が可能になります。
例えば、従来の機械加工では不可能とされる内角Rの小さい溝加工や、微細な穴加工などでその威力を発揮します。当社では長年ワイヤーカット加工のノウハウを蓄積しており、他社で「不可能」とされた精密部品の加工も実現しています。
「手のひらサイズ」への特化がもたらす専門性
当社は「手のひらサイズの部品を中心に、小物部品なら何でも加工OK!」を掲げ、特定サイズ帯への専門特化を図っています。
この特化戦略により、小物部品に最適な治具設計、加工技術、品質管理手法を深く掘り下げることができました。大物部品とは全く異なる技術的課題に対し、豊富な経験に基づく最適解を提供できるのが当社の強みです。
医療機器、電子機器、精密機械、航空宇宙産業など、高精度な小物部品を必要とする多様な業界のお客様にご満足いただいています。
お客様との「共創」を重視するコミュニケーション
包括的な課題解決パートナーとして
「加工に困った。納期に困った。いろいろ相談するよりも榊原工機1社で解決できることが多いです」
このお客様の言葉が示すように、当社は単なる加工請負業者ではなく、お客様の課題解決パートナーとしての役割を担っています。
技術的に困難な部品、短納期を要求される案件、コストとのバランスが難しい発注など、お客様が抱える様々な課題に対し、複数の解決策を提示します。その中からお客様にとって最適な選択肢を共に見つけていくのが、当社のスタンスです。
試作開発段階でよくある仕様変更や設計見直しにも、柔軟かつ迅速に対応します。多能工エンジニアの総合的な問題解決能力があってこそ可能な対応と自負しています。
「プロに聞きました」シリーズによる情報提供
当社では、お客様がより良い発注をしていただけるよう、専門知識を積極的に情報発信しています。
「発注担当者必読!見積依頼のコツと部品加工の見積内訳を徹底解説」では、適切な見積依頼の方法をお伝えしています。図面の書き方一つで見積金額や納期が大きく変わることもあるため、発注者側の知識向上も重要な要素です。
また「部品調達における品質認識のギャップ解消法」では、発注者と加工業者の間で生じやすい品質に対する認識のズレを解消するための具体的手法を紹介しています。
さらに「マシニング・旋盤・5軸加工機のリアルなトラブル事例をこっそり公開」などでは、ものづくりの現実的なリスクを共有し、トラブルの未然防止に役立てていただいています。
直接対話を重視した迅速な対応
「もしも、お急ぎの場合は社長はお話し好きなのでメールで返信を待つより、電話して事情を説明することをお勧めします」
このメッセージが示すように、当社では形式的な手続きより、直接的な対話を通じたスピーディな問題解決を重視しています。
緊急性の高い案件では、メールのやり取りでは伝わりにくい微妙なニュアンスや具体的な状況を、電話で直接お聞かせいただくことで、より迅速で的確な判断と対応が可能になります。
お客様の困りごとを正確に把握し、最短時間で解決策を提示する。この姿勢こそが、多くのお客様から「駆け込み寺」として信頼される理由の一つなのです。
創造性を育む企業文化と環境
「工場に見えない町工場」の特別な雰囲気
当社は「ホームセンターとお風呂屋さんに挟まれたところにある工場に見えない町工場」です。
一般的な工場のイメージとは一線を画する外観と、「木のぬくもりと緑にあふれた『あたたかい町工場』」という独特な環境が、従業員の創造性とお客様との親密なコミュニケーションを育んでいます。
2階の事務所も木の温もりを感じる空間となっており、「階段下のピンポンを押して頂き、2階の事務所へ是非どうぞお越し下さい。たまに黒猫のノア君もいます」という案内からも、アットホームな雰囲気を感じていただけるでしょう。
このような環境は、お客様にとって相談しやすく、従業員にとっても固定観念にとらわれない自由な発想を生み出す土壌となっています。
自社製品開発で培う技術力と創造力
当社では受注生産だけでなく、自社製品の開発・製造にも積極的に取り組んでいます。
高級ゴルフパター「SAKAKI PUTTER」は、当社の5軸加工技術の粋を集めた製品です。この開発プロセスで得られた高度な加工技術とクリエイティブな発想は、お客様の試作開発支援にも活かされています。
また「SAKAKI Gear」ブランドでは、様々な自社製品を展開しており、常に新しいものづくりにチャレンジしています。このような自社での挑戦経験が、お客様の困難な案件にも果敢に立ち向かう原動力となっています。
ガレージブランド・個人ブランド支援への取り組み
大企業だけでなく、「ガレージブランド・個人ブランド」の試作開発も全力でサポートしています。
アイデアはあっても技術的な壁にぶつかるお客様に対し、材料選定から加工法の提案、さらにはデザイン面でのアドバイスまで幅広く対応します。小さなアイデアを形にしていくプロセスこそ、ものづくりの醍醐味であり、当社のクリエイティブな発想が最も活かされる分野でもあります。
実際に、個人発明家の方のアイデアを製品化するお手伝いをした際は、従来の加工法では実現困難とされた複雑形状を、独自の工程設計により見事に形にすることができました。お客様に大変喜んでいただき、その後の量産化まで継続してサポートさせていただいています。
まとめ:榊原工機が選ばれ続ける理由
有限会社榊原工機が「機械部品加工の駆け込み寺」として多くのお客様に選ばれ続ける理由は、単一の要素にあるのではありません。
創意工夫に満ちた加工法検討術、多能工エンジニアの卓越した技術力、バリエーション豊かな設備群、お客様との密なコミュニケーション、そして創造性を育む企業文化。これら全てが有機的に結びつくことで、他社では実現困難な「ベストパフォーマンス」を提供し続けています。
「頭を旋盤のように高速回転」させて最適解を見つけ出し、「考えて動く多能工エンジニア」がそれを確実に実現する。このプロセスこそが、不可能を可能に変える当社の真の強みなのです。
もしあなたが現在、他社で断られた部品の加工でお困りなら、あるいは新しいものづくりに挑戦しようとしているなら、ぜひ一度当社にご相談ください。きっと、あなたのものづくりの新たな可能性を切り拓くお手伝いができるはずです。
当社は今後も、お客様の「困った」を「できた」に変える、真のものづくりパートナーであり続けます。

