ワイヤーカットって何?
切削の工作機械は大きく分けてフライスと旋盤がありますよ、という話を以前しました。では「ワイヤーカット」って何?というのが今日のお話です。
ワイヤーカットが活躍するのは、主に金型の世界。金型屋さんですね。
そもそも金型って何?というところから説明しますと、分かりやすく言えば、たい焼きの型。あの外側の鉄の板です。たこ焼きの鉄板の、あの丸くくぼんだ型もそうですね。ああいった凹んだ形のところに液体を流し込むことで、世の中に流通するいろいろな製品ができあがってくる。つまり、工業製品の「元になるもの」を作っているのが金型です。
そして、その金型を作る現場でよく使われるのが、ワイヤーカット、正式には「ワイヤー放電加工機」という機械なんです。
放電加工には大きく二種類あります。細いワイヤー(真鍮の線)で切っていくのがワイヤー放電加工。電極の形状を製品に当てて、鉄を溶かしながら彫っていくのが型彫り放電加工。どちらも「放電」、つまり電気の火花で鉄を溶かして形を作るという原理は同じです。分かりやすく言うと、貫通した形状を作り出すのがワイヤーカット、止まった(貫通しない)形状を作り出すのが型彫り放電、という使い分けです。
榊原工機にあるのは、ワイヤーカットと細穴放電加工機の二つ。今日はワイヤーカットの話をします。
ワイヤーカットとは何かというと、糸のこを想像してもらえばいいかなと思います。糸のこで木を自在に切っていきますよね。あんな感じで、細いワイヤーを使って鉄を自在な形状に切っていく。それがワイヤーカットという機械です。試作の機械加工における、いわば飛び道具ですね。
例えば、1ミリ×1ミリの四角い穴が深さ50ミリあったとしたら。これは切削加工では不可能なんです。ドリルで丸穴は開けられても、角の立った四角い穴を、しかもそんな深さで削り出すことはできません。そういう形状をワイヤーカットなら切ることができる。
切削加工の大きな相棒。補助役。ワイヤーカットは、そんな位置付けの機械になります。