みなさん、こんにちは。榊原工機の榊原です。
今日はうちのマシニングセンターの話をします。山崎技研さんの YZ-402SG という機械なんですが、実はこのマシニングセンター、ハンドルが付いているんです。写真の正面下側、手前に丸いハンドルが並んでいるのが見えると思います。
「え、それの何が違うの?」と不思議に思う方もいると思うので、説明しますね。
マシニングセンターというのは、基本的にプログラムで動く機械です。座標を打ち込んで、あとは自動で削る。だからハンドルなんて要りません。理屈としてはそのとおりで、量産ならプログラムを組んだほうが圧倒的に速い。
ただ、現場はいつも量産とは限らないんですよね。
こちらはうちのオークマのマシニングセンター、MB-56VA です。見てのとおり、ハンドルは付いていません。これがいわゆる普通のマシニングセンターの姿です。
では、ハンドルは何のためにあるのか。
例えば、製品がたった1個。そこに斜め30度の角度を取りたい、という仕事が来たとします。このときプログラムを組もうとすると、けっこうな手間になります。でもハンドルが付いていれば、角度を30度と入れて、ハンドルを回して削ってしまったほうが早い。
正直に言うと、山崎技研の機械は速い機械ではありません。工具交換も遅いですし、早送りも遅い。量産に特化したマシニングセンターと並べたら、動きはもっさりしています。
その代わり、単品を削るときには力を発揮してくれる。そこに振り切った機械なんです。
もうひとつ便利なのが、決まったパターンの穴あけです。
写真は丸物に3か所、穴を開けたものです。こういう「よく使うやつ」があらかじめメニューとして用意されていて、そこに数字を入れてやるだけで、4か所でも6か所でも等配の穴あけがワンタッチで出せます。いちいち座標を計算しなくていい。
山崎技研さんの機械は、汎用フライスをもとに、汎用フライス → NCフライス盤 → マシニングセンター、という順に進化してきた機械です。NCフライス盤というのは、以前もお伝えしたとおり自動工具交換装置(ATC)が付いていない機械のこと。NCとして動きながら、さっきのメニューから等配穴あけや斜め加工ができる、という位置づけです。
「単品加工なら、そもそもマシニングセンターの機能は要らないんじゃないの?」と思われる方には、ATCを持たないNCフライス盤に特化した機械も山崎技研さんにはあります。
うちのように1個からの試作や単品ものを多く扱う工場にとっては、この“中間”がありがたい。プログラムを組む価値がある仕事はプログラムで、そうでない仕事は手で。仕事のほうに機械を合わせられるのが、この機械の一番の強みだと思っています。