写真に写っているのは、うちで使っている三つ爪チャックです。
これはボール盤で丸ものを掴んで加工するときに使っているものなんですが、よく見ると、チャックの下に四角い板が取り付けてあります。何のために付いているのか。
実はこれ、この板ごとバイスで掴めるようにするためなんです。
つまり、ボール盤で丸ものを掴むのはもちろんですが、そのままフライスに持っていって、バイスで板の部分をガシッと掴んでやれば、フライスでも同じように丸ものを咥えて加工ができる。そういう発想です。
これがあるとどうなるか。いちいちバイスをテーブルから外して、三つ爪チャックを直接取り付け直す、という手間がなくなります。
段取りの途中でバイスを降ろすというのは、地味なようで結構な時間を食う作業です。ボルトを緩めて、重たいバイスを持ち上げて、チャックを乗せて、また芯を出して……。それが板一枚でごっそり省ける。
こういうのが、いわゆる便利道具というやつですね。
ただし、何でもかんでもこれで済むわけではありません。当然ながら大きさの問題があります。大きいものを掴むときは、この方法では無理が出るので、また違うやり方をします。製品の大きさに合わせて、三つ爪チャックの使い方も変わってくるわけです。
段取りというのは、こういう小さな工夫の積み重ねだと思っています。大がかりな設備投資をしなくても、板を一枚ネジ止めしておくだけで、日々の作業がずいぶん楽になる。現場の人間がそういうことを考えて手を動かしてくれるのが、町工場の強みだとも思います。
今日はそんな一例を紹介させていただきました。