提案・試作事例

【プロに聞きました】旋盤加工を安く発注する方法とは?

旋盤加工を検討するとき、多くの人が「安く発注する方法ってないの?」という疑問を持つことがあると思います。でも、こういうことって、ものすごく聞きにくいですよね。特にプロには……。

そこで今回は「旋盤加工を安く発注する方法を教えてください!」という聞きにくい質問を、切削加工のプロ・榊原社長に思い切って聞いてしまいました。苦笑しながらも優しく、詳しく教えてくれた榊原社長、今回もありがとうございます。早速皆さんに共有したいと思います。

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

まずは旋盤加工の基本を復習します

まず、度々になりますが、旋盤加工の基本事項を確認します。旋盤加工とは、素材を回転させて、固定した刃物を移動させながら、求める形を作っていく加工です。加工対象が回転するため、棒状・円筒状など丸い製品を作るのに適しています。

加工対象は違いますが、陶器でいえば回転するろくろの上に粘土を載せて、手で形を整えていく作業と似ています。ろくろは回転台で粘土を回して手で形を作っていきますが、旋盤では加工対象物をしっかりと掴んで横向きに回転させて、固定した刃物(バイト)を当てて削って形を作っていきます。……ここまでは何度かご説明していますね。

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ちなみに榊原工機では、旋盤加工で直径φ200mm以下のサイズであれば、だいたいどんな加工でも実現可能です。唯一苦手な加工は「細長いもの」。たとえば直径φ5mmで長さL=30mmのような細長い物を精密に仕上げると、一方の端面に回転センターといわれる固定痕が残ってしまいます。固定痕が気になる精密加工品の場合は難しいですが、それ以外はほとんど加工ができるとのことですので、相談してみてください。

では、話の本題を聞いていきたいと思います。

旋盤加工の価格の決まり方とは?

加工の価格設定には、さまざまな要素が絡んできますので大変難しいところではありますが、次のような要素が価格に影響してきます。順に見ていきましょう。

1. 素材・材質・表面処理

まず、材料が鉄なのかアルミなのか、真鍮なのか銅なのか……。材質によって、材料の価格が全然違います。そして同じ材料でも、焼入れが入るかどうか、表面処理が必要かどうかなどでも価格は変わります。

当社に在庫がある一般的な鉄鋼材であれば安く加工できますし、珍しい特殊材や加工が難しい超硬の材料が指定されている場合には、材料費だけでなく加工の手間も増えたりするので見積が高くなりやすいかな、と思います。

また、最近は「ミルシート」といって、材料の構成をまとめた情報シートをご希望されるお客様も増えてきました。ミルシートをご希望の場合は、当社では「ミルシート付の材料」をわざわざ手配して仕入れる必要がありますので、一般材の加工よりも高くなります。

ということで、材料費を抑えたい場合には、お問い合わせの際に私にご相談いただければ、条件に応じた比較的安価な材料をご提案することもできると思います。

2. 寸法公差

寸法公差も大きな要素です。例えば寸法公差±0.1mmの加工と、±0.01mmの加工では、使う機械、切削工具、加工プログラム、加工時間まで全然違ってきます。公差が厳しいと加工単価は高く、公差が緩いと加工単価は安くなります。

当社へのご依頼の中でも「ここの寸法公差、本当に±0.01mm必要なのかな……」と疑問に思うケースも少なくありません。特に設計が本業ではない方の図面ほど、全ての面に厳しい寸法公差が入っている場合が多いような気がします。

本当に全ての面に±0.01mmの公差が必要でしょうか? 組立の相手部品との接触面以外は、そこまでの公差は必要ないケースも多いと思います。ここを見直すだけで、加工単価は大きく下がると思いますよ。

3. 数量

数量も、1個よりも複数個で発注した方が安くなりやすいと思います。機械加工では、1個でも10個でも100個でも、同じプログラムと1度の段取りで加工できるケースがあります。

ですので、例えばプログラムに30分、段取りに30分かかった場合、1個でのご依頼だと1個の価格にまるまる1時間分の工賃がかかってしまいますが、10個の発注であれば1個あたりの工賃は6分になりますので、この分、1個あたりの単価を安くすることができます。

4. 納期

もう一つ、価格に大きく影響する要素が納期です。例えば「今日発注で明日発送してほしい」という特急のご依頼と、「1か月後の発送でいいですよ」というご依頼では、価格が大きく変わるのはイメージしやすいと思います。

では1か月後の納期設定ではどのように加工するのかというと、実は中国やベトナムなど、海外の提携工場で加工すると安く作れるケースが多いのです。

ただ最近は円安が進んでいるので、海外で作れば激安、という状況ではありません。榊原工機でも中国に提携工場がありますが、「安いから中国メーカー」という発注の仕方をするのではなく、焼入れや表面処理など中国の提携工場の方が効率良く作れそうなケースで、納期に余裕があるときに中国の提携先に依頼することがあります。

具体的に当社では、もちろん特急品や難しい加工は社内で加工しますが、1~2週間の納期で中国提携工場の得意な加工があるときに依頼ししていますので、この場合は国内の協力会社にお願いするのとほとんど変わりませんね。

また、「1か月納期を見るからとにかく安くしてほしい」というご依頼であれば、安さ重視の中国の提携先に依頼して安く仕上げることも可能です。実際には当社には1か月先の納期の仕事はほとんどありません(笑)。「どうしたら安くなりますか?」と聞かれたからお答えしています。

それから、中国に発注する場合の材料も価格に影響します。中国メーカーでは特に指定がなければ「中国材」と呼ばれる現地で流通している素材を使います。日本で流通している材料を使ってほしい場合には「日本材」を指定する必要があり、その分価格が高くなりますので、そのあたりも検討した方がいいでしょう。

安いと言っても、中国で作ったモノって大丈夫なんですか?

当社で手配した部品は大丈夫ですよ。というのも榊原工機では、中国メーカーで作った部品についても全て、社内で出荷前検査を実施しています。三次元測定機もありますし、出荷前検査でもし公差から外れているなどの不具合が見つかれば、すぐに社内の設備で修正または再製作にかかります。

出荷時点では必ず良品になっていますので、納期に余裕があって安く仕上げたい部品でも安心して榊原工機にご依頼ください。

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ただ、自社に加工設備を持たない商社さんなどの中国製造品は、入荷したらそのまま発送してしまうケースが多いようなので注意が必要です。

というのも、当社には商社さんや、商社さんに手配を依頼したユーザーさんから「中国加工で不具合が見つかったから特急で修正して」という仕事がよく持ち込まれるんです(笑)。

ですので、安く仕上げるための中国手配でも、当社の様に社内に加工設備や検査設備を備えた会社にご依頼いただいたほうが安心だと思います。

古い機械で加工してもらえば安くなりませんか?

これは回答が難しい質問ですね。当社には、ベンチレースや汎用旋盤などの古い機械から、五軸加工機や複合加工機などの最新の加工機まで揃っているのですが、加工機によって加工単価に差をつけていないんです。

というのも「安くしてほしいから汎用旋盤で加工してほしい」と依頼された場合でも、形状その他の事情によってはNC旋盤を使った方が早く美しく仕上がるケースもあります。なので機械の選定は当社の判断におまかせいただければと思います。

また、世間には汎用旋盤と汎用フライスなど古い機械を揃えて、格安で加工をしている職人さんもいらっしゃいます。そういう営業形態だと採算をあまり気にしないで仕事を受けられるので、当社も単価ではかなわない場合もあります。

ただ、このような工房は複雑な加工や高精度の加工は難しい場合も多く、さらに最近どんどん廃業が増えているようです。当社にも「職人さんが廃業してしまった」と転注の相談が来ることもありますが、同じ価格で納品するのは難しいのが現状ですね。

ちゃんと加工機を揃えている会社に依頼するメリットは?

最近同業者のホームページをチェックしていると「何でも加工します!」と書いておいて、実はほとんど協力会社に振っているという会社も多いようです。先日は展示会で「協力会社○千社!」というキャッチコピーで、協力会社の数をPRされている会社も見かけました。でも加工を依頼するなら、実際に加工を行っている会社に頼むのが良いのではないでしょうか。

榊原工機だったら、直径φ200以下の旋盤加工の仕事は結構何でも社内で加工できます。
たとえば旋盤だけでも、これだけの種類の機械が揃っています

・卓上旋盤
・汎用旋盤
・自動盤(バー材から自動で材料を送り出して旋盤加工をする機械)
・NC旋盤
・複合加工機

その他にマシニングセンター、5軸加工機、ワイヤーカット、横型ボール盤、細孔放電加工機 などが揃っていて、小さな会社でこれだけ揃っている会社はそんなにないと思います。

このように、機械がたくさん揃っているメリットは、高品質と短納期、そして価格です。

たとえば工程が マシニングセンター→ワイヤーカット→NC旋盤 と3工程ある部品を加工するケースを考えてみましょう。

マシニングセンターしかない会社の場合、社内で加工した後ワイヤーカットのある協力会社に走って加工を依頼→数日後に引き取りに行き、NC旋盤のある会社に走って加工を依頼→仕上がりを待って引き取りに行き、社内で検査して出荷 という流れになります。2件の外注先でそれぞれ数日かかることを考えると、この部品を作るのに2週間程度はかかってしまいますし、部品を持って走り回る手間も考える必要があるので、どうしても高くなってしまいがちです。

その点榊原工機なら、いろんな機械が揃っているので、全て社内で加工してサクッと数日で加工が完成してしまいます。生産効率、価格面、品質面についても、自信を持っておすすめできますよ。

具体的な加工事例を教えてください

有限会社榊原工機|小物部品の少量~中量生産に特化|ガレージブランド・個人ブランド”の試作開発も

はい、おまかせください。

こちらは商社さんの手配で中国で加工した部品の公差が外れていたので、手直しの依頼が来た事例です。でも手直しでは直らなくて、結局再製作になりました。先端は旋盤、中央の曲がった部分はマシニング、上の四角い部分はワイヤーカットの加工で、当社には全ての機械があるので特急で仕上げて納品しました。

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こちらは旋盤→ワイヤーカット→マシニング と、3工程必要な加工でした。
最初に丸の外形を中心の穴を旋盤で加工してから、ワイヤーカットで手前の切り欠き部分を加工。マシニングで平面の穴をあけてから、最後に切り欠き部分にある横穴をマシニングセンターで加工しました。

この加工は、全ての設備が社内にないと、価格も納期もかかりがちです。当社では全ての工程を社内でサクッと仕上げることができました。

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家具の取っ手の部品でした。旋盤で加工した部品2個をワイヤーカットで加工してから、可動部を作った事例です。こちらも1個ずつの試作でしたが、社内で加工しましたので協力会社を走り回る会社よりは安価に製作できたのではないかと思います。

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小さな旋盤仕事のお仕事でした。当社は2個でもお引き受けしますので、安心してご依頼ください。

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ピン11本の加工のご依頼でした。1本だと高くなりがちですが、同じものを11本作ったので単価が下がった事例です。ボールペンはサイズがわかりやすいように置いたものです。

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これは直径φ120mmの金型部品です。高精度加工が必要な1個でのご依頼でした。

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こちらはスリーブという円筒形の50本、KCFという特殊材を使った加工でした。一般剤だと安い市販品もあるかもしれませんが、これはニッチな特殊材なので当社にご依頼いただけたようです。開発中の素材で加工してほしいなどのご依頼もたまにありますので、特殊材でお困りの事があればご相談くださいね。

ということで、今回は切削加工のプロ・榊原社長に「旋盤加工を安く発注する方法」を包み隠さず教えていただきました。榊原工機はさまざまな機械を社内に備え、1個からの単品加工、試作品、小ロット品、特急加工、複数工程の加工まで安心してお願いできることがよくわかりました。

榊原社長、今回は聞きにくい質問に快く、業界のウラ話まで含めてお話しいただきありがとうございました!

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